筑波大学と日本モンサントの奨学金プログラム: 第2期奨学生の奮闘記録

筑波大学と日本モンサントが2015年に創設した「持続可能な農業を目指す人材育成のための奨学金制度」は、現在第2期生のプログラムが進行中です。筑波大学 生命環境科学研究科の精鋭3名が1年間の留学の終盤を迎えています。武井さんはフランス・ボルドー大学にて今年度末まで、森井さんと井原さんが9月に国立台湾大学からすでに帰国されました。

3名の進捗状況を含めた奮闘記を伺いました。

 

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森井雅人さん(留学先:国立台湾大学 森林環境暨資源学系)

海外で経験を積み、日本にはない視点を持ちたいと台湾を留学先に選ばれた森井さんは、紙を構成する繊維を化学的または物理的にナノレベルに細かくした「ナノセルロース」の研究を行っています。研究の成果としては、ナノセルロースのフィルム強度を高めることに成功。
現地での授業は英語が中心で会話力が明らかにアップしたそうです。TOEICでは100点以上もスコアアップしたとのこと。

台湾では日本のことについての質問がよくあり、翻訳機などが飛躍的に向上する中、自国についての教養が国際的な会話でより重要になると肌で感じたそうです。本プログラムの台湾における第1期生だったため苦労した点などは後輩に伝えていきたいという優しい森井さん。将来は、製紙会社や印刷会社で紙の開発、紙の高機能化の研究を続けるために日々努力されています。着実にご自身の目標へと進んでいることが目に見えて、本プログラムが役に立っていることを嬉しく思います。

 

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井原偲文さん(留学先:国立台湾大学 生物産業機電工程学系)

「日本の食文化をもっと世界へ」を目標に食品加工学を学ぶ井原さん。台湾では、電気抵抗を利用した熟成牛肉の新しい品質評価方法の確立をされたそうです。また、日本と同じくコメが主食である台湾においてコメの収穫後、貯蔵・乾燥方法が呈味に及ぼす影響の解明にも取り組んでいました。

現地での友人も多くでき、留学で得た経験は一生ものだと語ります。「食肉の熟成を一般の食肉加工業者でも簡単に実践できるようなマニュアルを作り上げたい」と将来の展望を見据えています。海外で彼の開発による熟成肉を楽しめる日は近いかもしれません。

 

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武井瞳さん (留学先:ボルドー大学 健康科学部 植物生物学・バイオテクノロジー修士課程)

今年いっぱいで留学が終了する予定の武井さんの研究エリアはトマトの果実をつけやすくする遺伝子の解明。果実をつけやすくする新しい遺伝子が、トマトの蕾の特定の組織において機能していることを明らかにしたそうです。

大学では実験室でのフランス人の先輩やクラスメイトに囲まれた生活。また国際色豊かな環境でアジア人や南米の友達とも国境を越えて交友関係を広げたそうです。コミュニケーションは英語が8割、仏語と中国語が1割づつ。フランス語は、ごく身近な話題についての簡単な質問であれば訊いたり答えたりできるように。日本で2年間学んだ中国語を生かし、中国人留学生とも仲が良いそうです。

「実験は上手く行かないことばかりで、研究手法や自分自身の研究者としての適性を見つめ直す良い機会。失敗や困難も多いですが、日本では想像できなかったような初めての体験を沢山しています」と武井さんは語ります。「食糧問題を解決して、世界の貧困に苦しむ人々を助ける」という若き輝かしい研究者の夢は大きく前進しています。

 

皆さんの分野は違えど、「持続可能な農業を目指す」という共通の認識のもと、異国の地でグローバルの視点を取り入れながら確実にそれぞれの道を進まれていっらしゃいます。日本モンサントでは次世代の農業リーダーを目指す学生さんを応援しています。

 

筑波大学・日本モンサント奨学金制度第1期生のインタビューはこちら

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