日本モンサント株式会社の開発による「とねのめぐみ」

モンサント・カンパニーは、ダイズやトウモロコシ、ナタネ、ワタなどの穀物の品種開発に取り組んでいますが、日本法人である日本モンサント株式会社(以下日本モンサント)では、日本独自に、従来の交配育種によってイネの品種開発に取り組み、美味しくて、収量が高く、栽培のしやすいこれからの稲作に適したおコメを商品化しています。

日本モンサントが交配育種によって開発した「とねのめぐみ」について、日本モンサントの茨城県河内町で、とねのめぐみの開発に携わった石坂昇助顧問に話を聞きました。石坂顧問は、国の農業試験場にて30年にわたり稲の育種を手がけてた育種のプロです。

―「とねのめぐみ」はどのような経緯で開発されたのでしょうか?

日本モンサントのイネ品種開発への取り組みは、「日本の稲作が抱える問題解決に貢献したい」という思いから始まりました。日本の稲作は、生産者の高齢化、後継者不足、栽培規模が小さいために生産コストが高いなど、多くの問題を抱えています。この問題の対処には、技術ソリューション(品種や栽培方法の改善)、マーケティング、農業政策など多方面からの取り組みが必要と考えられます。日本モンサントは、日本の稲作生産者の皆様に役立つ技術ソリューションの1つとして大規模栽培や低コスト栽培に役立つイネ品種を開発し提供することで、日本農業の振興に貢献したいと考えて品種開発を行って来ました。

日本モンサントは、1997年より自社農場で従来育種(交配育種)を用いた品種開発に取り組み、2002年に「とねのめぐみ」を農林水産省へ品種登録申請を行いました。「とねのめぐみ」という名前の由来は、茨城の利根川流域の肥沃な土壌の恩恵を受けて誕生したお米であることから命名されました。

通常、コメは公的機関による育種がほとんどで、その場合大体1つの品種を開発するのに、10年前後かかると言われています。ですが、農業試験場での長年に渡る育種技術からくる経験や知識をモンサントで生かし、交配してすぐ温室栽培し、その後、温室・水田を年2回繰り返し、良い形質の選抜や固定化を図ることができました。一方、食味選抜も、草丈を見るだけで食味の良し悪しが分からず、試食が必要になるため時間がかかります。そこで、ビーカー法という手法で、少量のサンプルをビーカーで炊き上げ、炊き上がった段階でツヤやネバりが良いものを選抜したり、食味計の前に、ベロメーター(官能テスト)を採用するなどして、迅速で効率的な食味評価につなげました。このような先進的な手法や工夫によって「とねのめぐみ」という新品種は誕生したのです。

Rice-Flower

―どのような特長がありますか?

今の移植栽培(苗を育ててから田植えする栽培方法)では大規模化に限界があります。大規模化を図るためにはイネの種籾(たねもみ)を直接田んぼにまき、イネが発芽してから15日後頃に水を入れるという直播(じかまき)栽培の普及が必要と考え、直播に適したイネ品種が必要という結論に至り、そうしたイネ品種の開発に取り組みました。そのようなイネ品種には、1)倒れにくいこと(草丈が低く、茎が強く、受光態勢が良い)、2)良食味であること、3)収穫量が高いこと、などの特性が必要と考えて品種開発を行い、これらの特性を持ち合わせた「とねのめぐみ」を世に出しました。

「とねのめぐみ」は、母親「どんとこい」に父親「コシヒカリ」を交配して育成しました。芽が出やすい、根の張りが良く、短稈で稈が強く、倒れにくい、食味が良いと品種としての素晴らしい特長が持ち味です。日本は収穫前に台風が来ますが、台風などの強風にも倒れず(写真)、栽培しやすい品種です。また、従来の品種に比べて少ない窒素肥料で栽培できる性質をあわせ持ち、直播による大規模栽培や低コスト栽培に適しています。もちろん直播栽培だけでなく移植栽培にも適していて、移植栽培をされている農業生産者からもご好評を頂いています。

Koshi-Tone

―どのような味わいでしょうか?

「とねのめぐみ」を産地品種銘柄に指定している県は、茨城県を初めとし、千葉県、埼玉県、栃木県、群馬県と増えてきていて、関東、北陸以西から九州まで山間地を除く多くの県で栽培されています。2005年に品種登録が完了し、同年から本格的な栽培のスタートとなり、生産者からは「収量が10%上がった」、「倒れにくく作りやすい」、「食味が良いので販売しやすい」などの高評価を得ています。米を主食とする日本の救世主ともなりえる「とねのめぐみ」と言えるでしょう。その味わいについて食された方々から賞賛を浴びています。

「とねのめぐみ」をご購入いただいた皆様からの食味に関するコメントの一部をご紹介します。
• 米飯につやがあり一口食べると甘みがあり、粘りが強くて噛みごたえが良い
• 食感はモチモチして、硬さと粘りの度合いが程よくお米の張りを感じ、食べごたえがある
• 一粒が大きく、キラキラしていて見栄えがする
• 炊き上がりは鍋炊きをしたような香ばしい香りが辺り一面に漂い、白くつややかで大変綺麗
• コシヒカリ以上に食味評価が高い
• 冷めてもおいしく、弁当やおにぎりにも向いている
• 肉料理にもよく合う
• そのままお茶碗によそって卵かけごはんにしても大変美味い

―とねのめぐみを食べられるレストランはありますか?

表参道にある日本食文化に融合する優しくて繊細、そして創造的なフレンチレストランCILQ(シルク、www.cilq.jp)では、とねのめぐみのリッゾトをメニューに加えています。料理長を務める高谷シェフは、「とねのめぐみは冷めてからも味がでて和・洋どちらでもアレンジできる大変美味しいお米です。コースメニューには必ずお米料理の一品を入れていますが、今はとねのめぐみを焼きおにぎり風のリゾットに仕立て、鴨のコンソメスープをお客様の前で注いで召し上がって頂いており、非常に評判が良いです。また、まかない食にも、とねのめぐみを使っており、スタッフ一同毎日の楽しみとなっています」と語っています。

Cilq

―「とねのめぐみ」はどこで購入できますか?

「とねのめぐみ」は全国各地で栽培されていますが、現在のところあいにくまだ最寄のスーパーで入手することができません。しかし、開発された栽培地である茨城に本社を置く株式会社ふるさとかわちで直接ご購入いただくことができます。是非ご賞味ください。

お米のご注文は「株式会社ふるさとかわち」までご連絡ください。
〒300‐1312 茨城県稲敷郡河内町長竿188
電話:0297-60-4158
http://www.kome-kawachi.com/buy.html

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