日本モンサントの役割と次世代農業について

2017年4月に日本モンサント株式会社の取締役社長に就任した中井秀一に、日本モンサントの役割と今後の農業について聞きました。

―まずは経歴について教えてください
実家が広島で兼業農家を営んでいることもあり、農業には幼少期から慣れ親しんできました。ただ、大学・大学院では農業というよりも、実験室内での研究が主でしたので、作物の試験栽培を本格的に学んだのは日本モンサントに入社してからです。日本モンサント入社は2001年。その後16年間、モンサントが開発した遺伝子組換え作物の申請登録業務に携わるバイオ規制・環境部を担当してきました。日本モンサントでは、遺伝子組換え技術によって開発された製品やサービスを直接販売していません。その代わりに、北米、南米、そしてアジアを中心に栽培された遺伝子組換え作物が、飼料や食用として日本に輸入できるように安全性の認可を取得することが大きな役割の一つです。

―16年間でどのような変化を感じますか?
私が入社する5年前の1996年に遺伝子組換え作物が商品化されました。この技術は時代の副産物として生まれたわけではなく、必要性から開発されたものです。人口増加だけでなく、経済発展が著しい国々では食肉需要の増加に伴い飼料用穀物の需要が増え続けています。その一方で、穀物を栽培できる面積は限られていることから、環境に配慮しながら持続可能な農業を実現することが求められています。遺伝子組換え作物は、これらの課題を克服する手段の一つとして生まれ、実際に食糧増産、環境負荷の低減、さらに世界食糧供給の役割を担っていることが報告されています。
安定した食糧供給は農業関連企業にとっての使命です。農業関連のグローバル企業であるモンサントでは、常に時代とともに進化しながら、統合型農業により世界における食糧安定供給に貢献していくことを最優先に日々業務に取り組んでいます。
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「日本モンサント主催のセミナーにて」

―統合型農業とはどのようなことでしょうか?
モンサントでは、「植物バイオテクノロジー(遺伝子組換え技術)」に加え、「従来育種(品種改良)」「農業用生物製剤」「作物保護(化学農薬など)」「精密農業」の5つの主軸分野を複合的に組み合わせた「統合型農業」を推進しています。
近年ではGPSを使ったサテライトによる農地管理などを可能にする「精密農業」が注目されています。あらゆるデータから各生産者の耕作地を精密に分析し、必要なところに必要な量の種子、肥料、水分、農薬などを投入することが可能になると考えています。限られたコストで最大限の収量をあげるためには、統合型農業が今後ますます重要となります。

―日本モンサントの今後の展望は?
私たち日本モンサントの使命は、業務を通して日本での食糧安定供給に影ながら貢献することです。現在の日本は輸入により食糧事情が豊かなため、食糧の供給が脅かされるという状況は実感しにくいかもしれません。ただ米国など一部の生産国の限りある穀物や資源に多くの輸入国が頼っている現状では、今後、日本が安定的に穀物を輸入し続けられるかどうかはわかりません。必要な安全性の認可の取得によって、安全な穀物を安定的に輸入できる環境を整えることによって「日本への食糧安定供給に影ながら貢献する」ことは、日本モンサントとして大きな責任だと考えています。

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プロフィル
中井秀一(なかい・しゅういち) 農学博士。2001年日本モンサント入社。モンサントが開発した遺伝子組換え作物を日本国内の関係省庁に申請登録する業務に携わるバイオ規制・環境部、同部長を経て2017年4月に取締役社長。実家は稲作を中心とした兼業農家で、4児の父親。
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