【モダン・アグリカルチャー】 作物保護の「道具箱」には何がある?

そもそも作物保護とはどのように進化を遂げてきたのでしょうか?

5000年前にエジプトの農民が初めてかかしを使って以来、作物保護というジャンルは長い道のりを経てきました。

国連の食糧農業機関によると、世界における作物の潜在収穫量の約40%は、害虫、雑草、病害によって毎年失われています。

現在では、これらの脅威から作物を保護する多様な選択肢が生産者にはあります。何世紀にも渡り使われてきたものもあれば、最近開発された進化したものもあります。これらの選択肢が効果を発揮する鍵は、生産者がそれらを組み合わせる方法です。

 

作物保護近代100年史

農業の歴史を通して、作物保護のジャンルで起きている新しいイノベーション一つひとつが、生産者のより効率的な農業を可能にしています。機械による耕作は人手による草取りの手間を、化学農薬は耕作の必要性を減らしました。遺伝子組換え種子は殺虫剤の使用を減少させました。データ分析は精密播種や散布技術と組み合わせて、生産効率の向上と環境への負荷の軽減を同時に実現させました。

生産者は、作物保護に対して常に「道具箱」のアプローチを取っています。現代における「道具箱」は、生産者に今まで以上の選択肢を提供しています。複数の選択肢の組み合わせは、それぞれの効果も高めます。それは生産者の殺虫剤使用の軽減にも繋がります。

生産者は作物保護の歴史上、あらゆる時代も最良の経験則を利用・応用してきましたが、一昔前は、肉体的に過酷だったり、非効率といったことが多々ありました。

20世紀までの100年余りを振り返って見ると、作物保護の「道具箱」は、生産者が環境負荷を軽減しながら生産性を向上できるようにし、より多様化し、効果的に成長しています。

 

5-10 年前

「データ分析」や「精密機器」はなく、生産者は適切な作物保護製品の選択が困難。「ドローン」や「衛星画像サービス」もなく、自分の目と足で作物を見て回る長時間労働

2004年、米国の消費者は収入の9.5%を食に使用

 

30年前

「遺伝子組換え種子」はなく、生産者は害虫防除のため化学殺虫剤に大きく依存

1984年、米国の消費者は収入の11.9%を食に使用

 

60年前

「最先端の化学農薬」はなく、生産者は手取り除草や耕運など労働集約型

1954年、米国の消費者は収入の19%を食に使用

 

90年前

「ハイブリッド種」が広く利用される前で、病害虫に対応した種子はほとんど無く、この時代の主な手段は人手による耕作、輪作と手取り除草などのみ

1929年、米国の消費者は収入の23.4%を食に使用

 

120年前

「ハイブリッド種」はなく、「化学合成農薬」も、「精密技術」や「データ分析」はもちろん存在しない。農作業には牛や馬などの役畜を利用。歴史上この時期の農業は重労働で、長時間必要で肉体的に過酷

100年前のほとんどの農場は、多様化された作物を自給自足し、家畜を育て、家族を養うことに専念していました。貧困や植物の病害が横行し、余剰生産はほぼない時代

生産者は業務上、最良の決断を下すために幅広い「道具箱」の選択肢を持ちます。これらは、作物保護という方法だけでなく、デジタルツール、精密技術および履歴データなども含みます。農業は時間をかけて進化し、環境への負荷も軽減する能力を培っています。

「道具箱」の変遷をみると人類の歩みが見えてきます。

 

「モダン・アグリカルチャー」本社サイトの原文はこちら

最新記事