「日本モンサント・持続可能な農業を目指す人材育成のための奨学金制度」 第1期奨学生、浅地真木氏の留学報告

浅地真木氏 筑波大学大学院 生命環境科学研究科 生物資源科学専攻 博士前期過程2年

筑波大学と日本モンサント株式会社は2015年11月に、筑波大学生命環境科学研究科とフランス・ボルドー大学、国立台湾大学、ユタ州立大学等との生命環境科学研究科・ダブルディグリープログラム・グローバルフードセキュリティーコースを支援する「日本モンサント・持続可能な農業を目指す人材育成のための奨学金制度」を創設しました。記念すべき第1期奨学生として採用された浅地さんが1年間のフランス・ボルドー大学留学を終えて、2016年12月に帰国されました。

日本モンサントは浅地さんに留学された一年を振り返った感想を伺いました。

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お帰りなさい。まず始めに一年を振り返ってどうでしたか?

大学は一般的には9月スタートですが、私の場合1月からのスタートとなりました。通常であれば4ヶ月の講義を経て、ラボで実際の研究を行うインターンを6ヶ月、そして論文で終了となりますが、私はインターンから始まりました。これが英語に慣れる意味でとても有効でした。

ボルドー大学の1年留学は、互換性のある単位を取得できて、さらに海外の実務経験を積めます。日本とフランスの研究スタイルとして、日本では所属が一つである一方、フランスでは横断的にコラボレーションをしながら研究という違いがあります。個人主義と思っていたので意外でしたが、非常にためになり、私にとっては最高の一年となりました。専門知識や研究力を磨き、国際感覚を身につけることができたと肌で感じました。

生活の流れはどのうような感じですか?

インターン時には、朝は9時から夜は19時か20時まで研究室に入り浸りです。教授や他の研究員に助けられながら自分の研究を進めていきます。成果報告として2週間に1回英語で発表しなければならず、これは大変でした。英語のハンディは笑顔でカバーです(笑)。さすがフランスと思ったのは、お茶の時間がしょっちゅうあること。朝1回と、昼食後も2回はありました。この時間に他の研究員とコミュニケーションをとったり、情報収集したりすることができ、英語力もアップしました。

週末は趣味のサッカーを通じて、世界の友達と輪が広がり、パキスタン、セネガル、イタリア、スペイン人などのインターナショナルチームを作って試合をして楽しんでいました。

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研究の成果は?

マイコプラズマという細菌に関する研究をしていました。具体的には、この細菌にDNAを導入する際、DNAが細胞膜をどのように透過するのかというメカニズムの解明です。このメカニズムがわかれば、様々なDNAを導入でき、エネルギー分野や医薬分野等で人類に有用な働きをする細菌を作れる可能性もあります。成果としては、マイコプラズマ細胞が融合した時に、DNAが融合した細胞の内部に取り込まれることを示唆できました。得られた知見をより確かなものにするため、今後も筑波大学とボルドー大学の共同研究という形で、同様の研究を進めていく予定です。

留学で一番大変だったこと、そして嬉しかったことは?

基本的なコミュニケーションは英語ですが、現地では英語を使わないフランス人もいました。フランス語がしゃべれなかったことで苦労したこともありましたが、努力して通じたときの喜びは忘れられません。また、ボルドー大学に留学している日本人向けに「ボルドー・キャリアフォーラム」というものを立ち上げ、11月に日本から講師を招き、セミナーを2日間開催しました。就職活動プログラムで、留学生に最適な勤め先を斡旋できたらと思い、現地の教授にご助力をいただきながらやり遂げることができて嬉しかったです。積極性、実行力が身につきました。

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今後の目標は?

日本もしくは海外の大学院へ進むか、または就職活動をするか、二つの方向性を視野に入れています。今回の留学で選択肢がより広がりました。ボルドー大学でお世話になった教授が、現地の大学院へ入ることができるよう奨学金制度を構築できないかと模索してくださっているというとても有難いお話もでています。

現地で改めて実感したことなのですが、日本製品の良さが海外ではまだ伝わっていません。例えば自転車のライトは、日本では安価で高性能、さらに長期利用できますが、欧州ではすぐ壊れるなど、です。日本製品や製造法をもっと世界にアピールできる仕事につければと思います。

どの選択をするにせよ、フランスで学んだことを生かせる道に進みたいと考えています。

 

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一年の留学を経て帰国された浅地さんは、着実に目標に向かって前進しているのが伺えました。今後とも日本モンサントでは、このような奨学金制度を支援し、次世代農業を牽引していくリーダーの育成に注力して参ります。

筑波大学のグローバルイノベーション学位プログラム(国際連携食料健康科学専攻、通称GIP-TRIAD)の活動については、こちらのニュースレターをご参考ください。http://www.gip.tsukuba.ac.jp/newsletter/index.html

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